2023/03/23 09:46

こんにちは。LENNYです。このたび新たにIDブレスレットを製作してみました。

それに伴いIDブレスレット(認識票)についてこちらのブログで書いてみたいと思います。



さて今回のお題IDブレスレット。シルバーアクセサリーが好きな方にはわりと定番のアイテムじゃないかと思います。板バネのジョイントユニットを用いたやつあたりが馴染み深いんじゃないでしょうか。元々はミリタリー系のもんでID、身元を特定するために名前や識別番号、血液型などを彫りこんで身に着ける認識票(IDタグ)というものの一種です。ドッグタグの仲間ですね。

さてこの認識票、軍として正式に採用されたのは1870年の普仏戦争におけるプロイセン軍だったそうです。事実上のドイツの統一戦争ですね。ドッグタグという呼び名も当時ベルリンで採用されていた犬の鑑札表のデザインに似てたらしく、兵が皮肉交じりに呼んでたものが定着し、それが英語圏に伝わったものだそうです。(諸説あります)

兵 : ” これ着けて戦えってのかよ。ワシらは犬かっ!! ”

大方こんな感じだったんじゃないでしょうか。

↑ 深い意味はありません。個人的な好みです。プロイセンのオットー フォン ビスマルク宰相です。目玉焼きがすべての料理に合うことを示した偉大な外交家です。


さて、軍として採用されたのは普仏戦争からだとして何故に認識票が採用されたのでしょう?

事の発端となったのは1861年~1865年のアメリカ南北戦争といわれます。

古代から兵の識別には人相、入れ墨など(一部に金属製の認識票に近いものを使用した例もあるようです)などが用いられました。近代軍隊で認識票が採用される以前に兵は服に刺繍したり、名前を書いたものを縫い付けるなど独自にしていたようで、戦死した際はそれから身元を特定していました。

ただ、近代に入って銃火器類の発達もあり戦争の死傷者数は跳ね上がります。また遺体の損傷も激しく布製のタグでは役に立たないケースが多くなりました。北軍では戦死者の40%以上が身元不明だったそうです。因みに北軍の公式戦死者数は36万4511人、南軍の公式な戦死者数はありません。

その南北戦争の中、兵士たちは戦死して自分が故郷に埋葬されないことを大変恐れたらしく独自に工夫したそうです。その中に金属のプレートやコインに名前を彫って身に着けるといったものがあったようです。軍隊としての装備ではないですが、戦時下で兵自身が工夫して作ったこれを現代の識別票の起源と考えられると思います。

生まれてこのかた平和に暮らす自分にはよくわからないとこですが、現代でもこの戦死者が識別可能かどうか?というのは軍隊において士気の面でもたいへん重要視されるそうです。南北戦争の終結から5年程度で正式にヨーロッパの軍隊で採用されたというのもこのへんの理由があるのではないでしょうか。